第5章 戦う勇気 手放す勇気
「何で…そんなんこと言うの……(笑)?」
これはきっと違う……
"冗談やんか(笑)"そう言って
すぐにたつ兄は笑うんだ……
そう思っているのに
声が震えてしまう……
"違う"
そう言って欲しくて
震える手でたつ兄の頬にに手を伸ばすと
そんな私の手からたつ兄は顔をそらして
「もう疲れたわ(笑)
なのかはいつまでも
横山くんのことばっかり考えてるし…
もううんざりやねん…
家におっても仕事場におっても
気が休まらへん……
だからもうやめよ……?」
そう言ってたつ兄は
ベッドから立ち上がると
「俺が仕事から戻るまでに出て行って?」
私を見ようともせず
部屋から出ていく……
「何で…たつ兄………?」
一人になった部屋の中
私のそんな泣き声だけが響く……
ねぇ…すばちゃん…?
どうしてこうなるのかな………?
ただみんなで笑っていたいだけなのに
どうしてこんなに複雑なの……?
人を好きになることが
こんなに苦しいなら…
もういらない……
もう私は
誰も好きになりたくないよ………