第5章 戦う勇気 手放す勇気
裕兄side
仕事が早く終わっても
誰も居ない静かな家に帰るんが嫌で
外で誰かと飯を食うて
ぷらぷらと時間を潰しながら
家までの道を歩く…
これが最近の俺の日課で…
今日もいつものように
退屈で無意味な時間を潰し
ゆっくりと家までの道を歩く。
でも今日は
玄関の扉に鍵を差し込んだ瞬間
背中から"裕兄………"
そう俺を呼ぶなのかの声がした気がして…
あかんぞ俺(笑)
なのかに会いた過ぎて
空耳まで聞こえるようになったんか!?
なんて聞こえるははずのない
なのかの声を振り払うように
もう一度玄関の扉を握りしめると
今度は
俺のお腹に小さな手が回されて…
"裕兄………"
そう俺を呼ぶなのかの声がはっきり聞こえて
急いで後ろを振り返るとそこには
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で俺を見つめる
なのかがおった………