第5章 戦う勇気 手放す勇気
朝目が覚めると
ソファーからベッドに移動していて
私の隣にいたはずのすばちゃんが
たつ兄に変わっている……(笑)
気持ち良さそうに寝息をたてる
たつ兄のほっぺたに指先で触れると
少し冷たかったのか
たつ兄の体がぶるりと震えて
閉じていた目がゆっくりと開いて………
「おはよう…たつ兄(笑)」
この2週間笑顔で言い続けてきた
この挨拶をする…
いつもなら
"おはよう"って笑ってくれるか
キスをするかなのに
なぜか今日のたつ兄は
目を開けた瞬間
眉間にシワを寄せ私から目をそらす…
なんだか様子のおかしいたつ兄に
「どうしたの…たつ兄?
あ…もしかして昨日たつ兄のワイン
勝手に開けちゃったから怒ってるとか…?」
そう言って寝癖で跳ねてるたつ兄の髪に
触れるとその手を掴んで…
「ごめんなのか…………
もう俺…無理みたいやわ?」
そう言ってたつ兄は
私から目をそらした……