第1章 始めに
あれから何年の月日が経っただろう。
外にはまだバケモノが出る。
この屋敷で年老いた者から次々と死んでいった。
ぼくも大きくなり、あの時の青年はぼくの上司となって、戦闘部隊を統率している。
バケモノとの戦いは、連日の如く繰り広げられた。
屋敷の外には人々はなく、お姉さんの姿も見つけることが出来なかった。
もう、諦めていた。
毎日、外に出るのは食料を確保するためだ。
農地や家畜が荒らされることはない。
周辺地帯の農地や家畜の世話を欠かさず行うことで食料は保たれた。
屋敷に避難した人数だけは養えている。
恐らくこの暮らしを一生続けるのだろう。
あのバケモノ達は、どこから来たのだろうか?
なぜ、我々を襲うのだろうか?
襲われた人々は、どこへ行ってしまったのだろうか?
あの時のお姉さんのように、地面に引き釣りこまれ、生きながらに生き埋めにされてしまっているのだろうか・・・・
バケモノを倒す実験室でも作ってみるか。
アルベルト博士の実験室なら何処かにあるだろう。
部屋の扉をすべて開けて、実験室らしい部屋を探し回った。
おかしいな。それらしい部屋が見つからない。
書斎の裏に隠し通路とかあるのかな?
各部屋の部屋の隅々まで調べ回ることにした。
どうやら、二階には実験室はないようだ。
人がまばらになった一階のロビー。
ここはこんなにも広かったのか。
ぼくが初めて来た時はとても大勢の人で埋め尽くされていて、ここの広さを微塵も感じられなかったのだけれども・・・
ロビーの四方には、動物の置物が乗った支柱が建てられており、ロビー床の模様はその支柱へと伸びるように描かれている。
まさか、この動物に仕掛なんて・・・
ぼくは動物に手を触れ、持ち上げようとする。動物は支柱にびっしりと張り付いて動かない。
いや、これは回るんだ。
ぼくは支柱に乗った動物をゆっくりと回した。カチッ。何かのハマる音が聞こえた。動物はロビーの中央を見て止まっている。
もしかして・・・
ぼくは、全ての動物をカチッと音がするまでゆっくりと丁寧に回した。
すると最期に回した動物がカチッと音を立てると、ロビーの中央がゆっくりと開き、下へと伸びる階段が現れた。
地下室だ。