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ぼくのお姉さん

第1章 始めに


歩く場所が無いほどに人で埋め尽くされ、人の汗の臭いが混ざったなんとも言えない異臭が、その場所を支配していた。
お姉さんを助けに行かなきゃ!
ぼくはバケモノと一緒に戦ってくれる人を探した。
みんなは声を揃えて「そんな恐ろしいこと辞めなさい」とぼくをいさめる。
ぼくはバケモノなんか怖くない。お姉さんを助けるんだ。
そう言っても、誰も立ち上がってくれない。
「ここには居ないよ。戦いたいという人は、他をあたりな・・・」
その言葉を最後に、全ての人が口を閉ざした。
そうだ、車で運んでくれた青年は何処にいるだろう?
彼なら、ぼくを助けてくれた彼ならば!
屋敷はとても大きい。ロビーから弧を描く大階段を二階へと進んだ。
奥の扉に明かりが灯っている。大人たちの話し合う声が聞こえる。
コンコン。
ぼく:「すみません。入ってもいいですか?」
ガチャ。扉が半開きになり、青年が顔を覗かせた。
青年:「ああ、目が覚めたのか。坊や、今は大事な作戦会議中なんだ。後にしてくれないか?」
ぼく:「ぼくも入れてください!」
青年は扉の隙間から腕を伸ばし、ぼくの頭を撫でた。
青年:「気持ちだけ頂いとくよ。後は、俺らに任せて、君は下のロビーで食料配給の時間まで待っていなさい。大丈夫。時期に解決する。大丈夫」
青年は、ぼくの顔を見ることもなく、自問するかのように大丈夫と言って、ぼくを閉め出した。
ぼくは行く場所を無くした。
お姉さんを助けに行かなきゃ・・・・
ここでじっとしてちゃダメだ。
ぼくはロビーに引き返した。人混みに押されながら壁にぶつかり出口を探す。
扉を開けようとすると、そこにいる大人たちがすごい形相の顔でぼくを扉から引き剥がす。
大人:「何を考えているんだ!バケモノが入ってきたらどうする!」
ぼくは屋敷から出ることも出来なくなっていた。
お姉さん・・・・
どうしたらいいの?
どこへ行くでもなく、屋敷の中を徘徊した。
バケモノを倒す方法を、自分で見つけるんだ。
それから、どうにかしてここから出て、お姉さんを助けに行かなきゃ・・・
・・・・
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