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【ダメプリ】宵粒 (裏)

第2章 深層心理操作Ⅱ



今まで誰か、この肌に触れたことがあるのだろうか。ふとそんな疑問が浮かび、同時に嫌悪感が漂った。

(誰か、アンタに触った?……誰がアンタに触った?)

それまで柔らかく胸に触れていた手が、爪を立てて肌に食い込む。

(どいつだ。……あの、アンタの周りをいつもちょろちょろしてる、テオって奴、とか)

瞬間、舐める口が止まった。唇と歯を僅かに乳房に当てたまま、目を見開く。
思い至った想像は脳裏で鮮やかに映像となって見えて、アリスに触れているのが自分ではないその光景に、どす黒い感情が暴れた。

(もしそうだったら……、ぶち殺してやる)

メアの目の色が変わった。
今まで気づかなかったのが不思議だ。自分よりもテオの方が、アリスと居た時間はずっと長い。あの日、キスを交わしたあの時だって、初めての反応ではなかった気がする。
可能性は十分にあるはず。

「…さ ない…」

怒りと独占欲が急速に脳を支配した。身分の差からしてありえない、とも考えたが、イナコ国の身分や階級にざっくりした気風では完全に否定できない。

「ゆるさない」


アリスは自分のものだ。アリスの体に触れるのは、世界中で自分一人だけでいい。

(オレの方がアンタを幸せにできる。欲しいものも食べたいものも何でも買ってやれるし守ってやれる。アンタがオレの傍を離れて動き回るからいけないんだ。あぁそうだ、もうどこかへ迷わないように、閉じ込めてあげればいい、やっぱりそうするのが正解だ、オレだけの部屋に閉じ込めてずっとアンタと一緒にいるのがいい絶対そうだオレが世話してやれるそうすればアンタは、)

「ずっとオレのものだ」

舐めた跡が濡れて輝いている。それをぎらりとした目で見下ろしながら、メアはアリスの下着に指を掛けた。
引き下ろして足首まで脱がせ、片足だけ引き抜く。女の秘部が顕になる。

冷静になれ。いくらあいつでも、ここまで触らせるような仲ではなかったはずだ。
メアは瞳の奥に暗い感情を秘めたまま、にんまりと笑った。

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