第2章 深層心理操作Ⅱ
「……っ、」
呼吸が止まる。思わず口を手で覆う。
広くはだけられた布から覗いたアリスの乳房。呼吸の度に上下する胸。柔らかな線を描くウエストと臍の窪み。可愛らしいレースのついた下着。
手が震える。心臓が強く早鐘を打つ。股間の圧迫感が一気に増したが、それさえも構っていられない。
呼吸は短く不規則に乱れ始めた。震える手でふくよかな胸肌に触れると、あまりの興奮にそこから痺れるほどの快感が走る。
「ッ あ、…ぁ」
びくん、と腰が引けてじわりと自分の下着の先が温くなった。
達してはいない事はわかったが、一瞬出たかと疑うほどに、恐ろしいほどの悦楽が体を支配している。
「ぅあ…、アリス、アリスアリスアリス」
何度も呼びながら何故か涙が滲んでくる。その理由を探っている余裕は最早無い。
目の前にある彼女の体に目を奪われたまま、言いようのない感情に呑み込まれていた。溺れそうだ。目が離せない。
やっと。やっとこれから。
彼女の味を知ることができる。
「……く、ふ ふふふ、」
この体を見ていたい気持ちはあったが、今は欲情に身を任せる方を選ぶ。姿勢を低くしたメアはアリスの胸へ唇を寄せて。
柔らかな頂にある粒に、ゆっくりと舌を伸ばし、舐めた。
一度舐め上げたところで暫し気配を探り、起きないかどうかの確認だけする。
起きないだろうな。いつもより強めの催眠薬を入れて眠らせたの、オレだし。
あれ、でも、どうして眠らせるんだっけ?
一瞬湧いた疑問もどうでもいい。
起きないとわかると、口付けるように深く、粒を口に含む。
「ん……っ、は、」
ぴちゃ、と小さな水音が立った。小さく転がし、吸っては軽く噛んで。
柔らかい、噛み付こうとしても滑るように逃げていく肌。