第2章 深層心理操作Ⅱ
「はぁ…、」
ゆっくり顔を上げれば、白いものが散るアリスの肌。
途中からアリスの様子を気にする余裕が全くなかった。顔を見て、起きていないのを確認して、息をつく。
「足りない……」
気持ちよかったはずなのに。10回目にここを訪れた時にしようと考えていたことが叶ったはずなのに、満たされない気持ちが残る。
まだ足りない、全然足りない、もっともっとアリスが欲しい。
何が足りない?
ぼんやりと部屋の中を歩き回ってティッシュを探すと、アリスの肌に散ったものを拭き取った。
そして、秘部を濡らしている白濁は。
「…アリスに、あげる」
指で集め、中に入れて、くちゅりと軽く掻き回し塗りたくる。
明日のアリスは、オレのものをここに入れたまま、一日を過ごすんだ。そう考えると、にまりと唇が弧を描いた。
あぁ、また服を着せ直すのが勿体無い。このまま閉じ込めておきたい。
仕方なさそうに衣服と布団を直しながら、アリスの姿を目に焼き付ける。
そういえばどうして、涙が出たんだろう。それにどうしてオレは、アリスを眠らせたんだっけ。
眠らせたのは、アリスが起きると困るからだ。
でもそれは、どうして?
「……」
何故か無性に、アリスの笑顔が見たかった。
名前を呼んでほしい。声が聞きたい。
その違和感にメアが気付くのは、もう少し先らしい。
END 2017/8/4
(今度は自分への深層心理操作、という続篇でした)