第2章 深層心理操作Ⅱ
寝台の横に畳み込むように布団を剥ぎ、アリスの体全体、足元まで空気に晒す。アリスは全く起きる気配がない。今日も睡眠薬で熟睡中だ。
そして案の定、ネグリジェタイプの夜着を着た体がメアの目に入った。
「あぁ…、」
思わず息がこぼれる。
薄く開いた唇、薄い服の上からでもわかる柔らかく曲線を描く肢体、細いウエスト、ふくよかな腰、そこから投げ出された脚は夜着の裾が捲れて太腿まで白い肌を晒している。
メアは躊躇わずにアリスの胸に触れた。触れた程度の感触では起きないことはわかっている。今日は少し強めに盛ったから、激痛を与えでもしない限り起きないかもしれない。
柔らかく胸を包むように揉み、腰をなぞって太腿へ。
「アリス…、オレのアリス」
覆いかぶさるように身を乗り出して、薄く色づいた唇に口付ける。触れているだけで恍惚とした気分に満たされ、ボトムの股間がきつくなった。
頬に唇を滑らせ、首元に顔を埋めて、匂いを胸に吸い込みながら段々と興奮して息が荒くなる。
滑らかな肌に自分の手で傷をつけたくなる。強く抱きしめたい、ぐちゃぐちゃにしてやりたい、アンタの喜ぶ顔も怒る顔も泣き顔も傷みに歪んだ顔も、全部全部オレのものにしたい。
この気持ちを何て言ったらいい?
掌から指先まで神経を集中させ、蛇のように手が忍び寄る。胸元まで指を持ってくると、中心で結ばれている細いリボンの紐を摘み、するりと引いた。
リボンの下に4段連なる釦も手探りで次々に外しながら、首元に唇を触れさせ、鎖骨を唇で食む。立っているのがもどかしくなり、膝でベッドの上に乗り上げる。
全ての釦を外すと生地を左右に払い除け、そこでようやく顔を持ち上げて彼女の裸体を見下ろした。