第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)
「・・・ははは」
クレイオの手の平に吐き出した自身の精液を見て、ゾロは口の端を上げた。
流石の回復力と言うべきか、すでにいつもの傍若無人な表情に戻っている。
「お前の手、すげェことになってんな」
「何、他人事のように言ってるの? 貴方がやったんだけど」
「ああ、悪かった」
まったく悪びれた様子もなく、ゾロはベトベトになったクレイオの右手を取ると、手の平を合わせるようにして自分の右手を重ねる。
そして真っ直ぐと彼女の瞳を見つめた。
「・・・お前を抱きてェな」
その欲求は変わらない。
むしろ、強まっていると言ってもいい。
こんな自慰で満足できるはずがないんだ。
「いつまでもつまんねェ意地張ってんじゃねェよ」
「意地なんか張っていない。自惚れないで」
「自惚れ? 違うな、お前はもう堕ちてんだろ」
「その自信は・・・いったいどこから来るの?」
するとゾロは何を思ったのか、自分の精液がついた右手を見てニヤリと笑った。
「さァな。そいつはお前が一番良く分かってんじゃねェのか?」
こんだけ隙を見せてやってたんだ。
本当に嫌ならば、いつものように殴って逃げれば良かった。
それをしないばかりか、ゾロのキスを受け入れ、あげくの果てには射精を受け止めようと手を差し出したのは何故だ。