第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)
「お前の目を見せろ。何のためにここにいると思ってんだ」
「・・・貴方が勝手に連れてきただけでしょ」
随分な言い草じゃないかと睨みあげると、ゾロは楽しそうに微笑んでいた。
まるでその反応を待っていた、とばかりに。
「ああ、ソレだ」
いつか倒したいと思っている男と同じ目をした女を組み敷いて、優越感に浸っているのだろうか。
ゾロは満足そうにクレイオを見下ろし、右手でゆっくりと自身を扱き始めた。
「今日は殴るなよ」
この間はみぞおちを殴られて悶絶したからな、と笑う。
人前で自慰行為をしているとは思えない、その余裕はいったいどこからくるのか。
そろそろペローナが夕食を作り終えている頃だ。
いつあのドアをすり抜けてゾロを呼びに来るか分からない。
「ゾロ、」
さっさと終わらせて、と言おうとして顔を見た瞬間、声が喉の奥に押し戻された。
「ん・・・」
クレイオが自分の名を呼んだことが嬉しかったのか、身体を屈めてキスをしてくるゾロ。
反り返った陰茎の先端から溢れる雫で、手が濡れている。
先ほどの傍若無人な態度は消え、口数も少なくなっていた。
このまま最後までいくのだろうか。
男性が射精をする姿を見るのは初めてではないのに、そう考えるだけで心臓がドキドキしてくる。
「やっぱお前の目、たまんねェな」
笑みを浮かべる汗ばんだ顔はとても扇情的で。
強引に欲求をぶつけてくるゾロを前に、彼のこの表情を知っている女性は世界でどれだけいるのだろう、とボンヤリと思ってしまう。
「ああ、やべェ・・・」
ベッドについているゾロの腕の筋肉が隆起した。
全身が強張り、血管を流れる全ての血が、刺激を与え続けられている中心に向かって集まっていくのが、傍目にも分かる。
竿を持って上下に動かしているゾロの右手が、だんだんと早まっていった。
それと相まって漂う、雄の匂いに眩暈がする。
「ゾロ・・・」
“食われる覚悟ができたら言え。その時は骨まで食ってやる”
あの言葉はきっと本当だ。
その時が来たら、私は骨すらも残してもらえないだろう。
ゾロはそれだけ猛々しく、そして強烈な魅力を放っている。