第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)
「女の身体を、おにぎりやお酒と同じように考える男に、私は抱かれるつもりはない」
「ああ、じゃあ仕方ねェな」
意外にもゾロはあっさりとしたものだった。
まるでクレイオの返事を最初から知っていたようにさえ思える。
「いくら腹減ってようが、食っちゃいけねェ飯には手を出さねェよ」
「・・・は?」
「あ、でも酒は違うな。誰のだろうが、おれの目の前にあったら飲む」
ゾロは口の端を上げると、クレイオの太ももの上を跨ぐようにして覆いかぶさってきた。
「安心しろ。おれに食わせる気がねェんなら、手は出さないでおいてやる」
二人分の体重を受けてギシリと音を立てるベッド。
石造りの部屋はひんやりとしているはずなのに、意に反して顔が熱くなっていくのを感じる。
「ゾ・・・」
「手は出さねェが、その代わりにお前の手を借りる」
「・・・は?」
ゾロはペロッと舌なめずりすると、クレイオをシーツの上に押し倒した。
そして獣のように光る目で見下ろす。
「今日は自分でするが、一人でヤんのはつまんねェからな。お前も付き合え」
そう言いながら、カチャカチャとズボンのホックを外し始めるゾロ。
クレイオを逃がすまいと、両膝で下半身を左右から抑えつけ、左手は顔のすぐそばについている。
まさか、ここで自慰を始めるつもりなのか。
「ちょっと・・・正気?」
「ああ」
「貴方、本当にどうかしてる」
するとゾロはニヤリと笑い、雄の匂いを漂わせながらクレイオの首筋から耳を舐め上げた。
「んっ・・・」
「それで結構。おれは海賊だからな」
剣士であると同時に、海賊。
欲しいものは、自分のやり方で手に入れる。
それがルフィと一緒に海を渡って学んだことだ。
「食われる覚悟ができたら言え。その時は骨まで食ってやる」
残忍な言葉と、鎖で縛り付けるような視線。
捕食者は男根を下着から引きずり出すと、ゆっくりと刺激を与えながら、捉えた獲物の唇にキスをした。