第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)
「シャンクス・・・貴様、いったい何を考えている?」
「ん?」
「突然訪ねてきたのには、何か理由があるのだろう?」
シャンクスは四皇の座についているが、1年前のマリージョア頂上戦争に終焉をもたらしたように、決して世界を荒らすようなマネはしない。
また、よほどの事が無い限りは、権力のある海賊とむやみに接触することもない。
だから友とはいえ、七武海である自分の根城にやってきたのには訳があるはずだ。
「まァ、なんだ。久しぶりにお前とサシで飲みたくなったのと・・・」
床に転がる空きボトルの数々。
何時間も偏屈者の大剣豪とグラスを傾け合っていたシャンクスは、酔いが回って赤くなった顔に笑みを浮かべた。
「おれの愛弟子をお前に自慢したかった、ということで手を打っちゃくれねェか?」
本当の理由は語らずとも分かるだろう?
そう言いたげなシャンクスに、ミホークは再び不愉快そうに顔をしかめた。
「自慢する割には“過保護”のようだがな。師匠が誰かれ構わず牽制してまで守らなければならない弟子に、さほどの実力があるとは思えん」
「ははは、そりゃ耳が痛ェ。だが過保護にもなるさ」
───彼女はおれ自身よりもミホーク、お前にとっての方が大事な存在のはずだ。
本当はもっと早く連れてきてやりたかったが、マリージョアの戦争以降、海が荒れてしまってそれどころではなかった。
ようやく念願叶ったんだ、少しは嬉しそうな顔をしてもらいたいものだ。