• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)





1秒・・・

2秒・・・


神経が極限まで研ぎ澄まされれば、それは10倍以上の長さとなる。
気が遠くなるような緊張の中、ゾロは叫んだ。


「そこにいるのは誰だ!!」


ゾロが切っ先を向け、ヒューマンドリルたちも牙を剥いた、その刹那。

ガサリという音がしたかと思うと、覇気に包まれた“侵入者”が姿を現す。
その人物を見た瞬間、あまりにも予想とはかけ離れた風貌に、ゾロの瞳孔が大きく開いた。


「───女・・・!?」


枯れかけた木に手を置き、刀を構えているゾロを見つめている。

年の頃は20歳だろうか。
黒一色のフレアワンピースに、月白色のストールを羽織っている。
漆黒の髪を揺らし、ニコ・ロビンのようにハッキリとした目鼻立ちの、どこか冷たさを感じさせる美人だった。

だが、何よりも印象的なのはその容姿よりも、首から下げている十字架のついたロザリオ。

彼女には武器を持っている様子がなかった。
それどころか、ゾロに対して敵意を持っているようにも見えない。

しかし・・・


「お前・・・何者だ・・・?」


刀を持つ手が、まるで金縛りにあったように動かない。
分かる・・・これは、自分の覇気が相手のそれに劣っているという証拠だ。

すると彼女は、静かながら突き刺すような瞳をゾロに向けた。









/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp