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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)




「クレイオ、前に話した“両替商”の女を覚えているか?」

「確か、貴方に『人魚の涙』を渡したという・・・」

「そうだ。その女はシャボンディ諸島にいる」

クレイオは何故、ドフラミンゴがそんな話を始めたのか分からず眉根を寄せた。
しかし、ドフラミンゴの方は“よく聞け”と真剣な顔をしている。


「そいつの所に行って、“ホリヨシ”に会わせろと言うんだ。おれの名を出せば、そいつは必ず従う」

「ホリ・・・ヨシ・・・?」


その名に、つるの顔がピクリと動いた。
海軍もホリヨシの名は知っている。
そして、それに関わった海兵をドフラミンゴが殺したことも。


「そいつなら必ず、お前の背中の烙印を消してくれる」

「・・・・・・・・・・・・」

「お前はもう奴隷じゃねェんだ。その証はもういらねェだろう?」


報酬は、その真珠のネックレス。
ホリヨシは必ず、クレイオの願いを聞き入れるだろう。

グランドラインの“新世界”と“楽園”の狭間にある、シャボンディ諸島。
お前が次に目指すのはその島だ。


「聞いたか、おつるさん。クレイオを頼んだぜ」

「何を寝ぼけた事を言ってるんだ。海軍を慈善団体とでも思っているのかい?」

ドフラミンゴと縁があるだけでなく、天竜人の奴隷と名乗っている。
そんなクレイオを野放しにしておくわけがないだろう。

「・・・・・・・・・・・・」

ドフラミンゴはクレイオの身体越しにつるを見た。

若い頃から、彼女には随分と苦しめられてきた。
ロシナンテが海軍と内通していたというのもあるが、単純にこの海兵が苦手だった。

だが、こうして自分を護送するのが彼女で良かった、とも思う。

つるもまた、ドフラミンゴに対してはただの海賊以上の因縁を感じているようだ。
深いシワが刻まれた口元から溜息を吐くと、若い頃は相当の美人だったことを伺わせる瞳を囚人に向ける。


「お前との面会が済んだらクレイオには次の島で降りてもらう。それで妥協しな」


海兵としてなら、クレイオを海軍本部に連れて行くべき。
しかし、ドレスローザの状況、ドフラミンゴとの会話、そして、つる自身の胸に引っかかっていることを考えると、彼女を“解放”することに決めた。







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