第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
一切の武器を持っていないことを証明するために裸になったクレイオ。
幼い頃から性奴隷として辱められてきたにも関わらず、その曲線は美しく、張りがあって瑞々しい。
できることならば、その豊かな乳房を持ち上げてその感触を楽しみたい。
敏感な部分を刺激して、その白い肌をほんのりと桜色に染めてみたい。
優しく、傷をつけないように。
ドフラミンゴは、そんな彼女の首元で揺れる真珠の首飾りを目にして微笑んだ。
全てを失っても・・・
それだけは身に付けてくれていたか。
「どこででもいい・・・おれを待っていろ、必ず行く」
「もし世界の反対側にいたら? それでも貴方は私を見つけ出してくれる?」
「バカ野郎。おれを誰だと思ってる」
ドフラミンゴはサングラスの向こうから、クレイオを愛おしそうに見つめた。
「おれの覇気なら、惚れた女の居場所ぐらい手に取るように分かる」
すると、その言葉が聞き捨てならなかったのか、後ろからつるが割り込んできた。
「バカはお前だ、ドフラミンゴ。生きて再び自由になれるとでも思っているのかい?」
インぺルダウンはそんなに甘いところではない。
麦わらのルフィに侵入を許したことを教訓として、さらに強固な監獄となっている。
だけどドフラミンゴは、そんな海軍中将の言葉も意に介さない。
「フフフフ・・・あんたの顔に泥を塗りたくはないが、おれはこのままでは終わらねェ」
海賊の歴史上最大の“覇権争い”が始まろうとしている今。
海底の牢獄でヒマを持て余しているのは、あまりにもったいない。
その笑顔は、先刻に“新聞を差し入れてくれれば退屈しない”と言っていた彼とはまったく違っていた。