第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
ドンキホーテファミリーの強さは、普通の人間の想像を遥かに超える。
彼らを倒すなんて・・・いったい、誰が・・・
その答えは、次のリク王の言葉が示していた。
「相対するは海賊の“麦わらのルフィ”!!!」
モンキー・D・ルフィ・・・
“お前が言っている“ルーシー”とは、モンキー・D・ルフィのことだ! ・・・おれの脅威になるわけがねェ!!”
あのルーシーが・・・
武装色の覇気をまとい鬼神のごとき姿となって、ドフラミンゴを討ち果たそうとしている。
「きっと彼こそが『鳥カゴ』を破壊してくれる男!!! 勝つも負けるもあとたった数十分!!」
おそらくそれが、この「鳥カゴ」が完全に閉じきるまで残された時間なのだろう。
「息がきれても・・・!! 足が折れても!! ・・・あと数十分・・・!! 生き延びてくれ!!!」
リク王の魂の叫び。
「希望はあるのだ!!! どうか諦めないでくれ!!!」
国民を皆殺しにしようとしている現国王。
国民に生き延びるよう涙ながらに訴える元国王。
倒れた者も、傷ついた者も、どちらの“国王”に応えるべきかは分かっていた。
諦めるな!
走れ!
「クレイオ様・・・走りましょう!!」
元ブリキ人形の女性も涙ながらにクレイオの手を取った。
「麦わらのルフィがドフラミンゴを倒してくれることを信じて・・・私達は諦めずに生き延びることだけを考えましょう!!」
その瞬間、ものすごい爆音とともに「ひまわり畑」の丘に大きな穴が開いた。
巨大な大砲かと思ったが、麦わらのルフィがドフラミンゴを吹き飛ばした音だと分かった途端、大きな歓声が沸き上がる。
もうもうと立ち込める土埃の奥にいたのは、岩石の中に“磔”となったドフラミンゴ。
「ドフラ・・・ミンゴ・・・」
圧倒的な強さを誇り、自身の心を隠すようにいつも笑みを浮かべていた彼の無残な姿に、クレイオは我が目を信じる事ができないでいた。