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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)




ドフラミンゴはバサバサと羽ばたきながら船に降り立つと、余裕の笑みを崩さぬまま、蒼白となっている天竜人を見下ろす。

「言うまでもねェことだが、納められるはずだった天上金はこのおれが頂いた。お前らにとっちゃ、はした金だろう?」

「・・・誰か、この無礼者を撃て!! 殺すんだえ!!」

しかし、海兵は誰一人として天竜人の命令を聞ける状態に無かった。
それどころか、両腕が自らの意思とは逆の動きを始め、天竜人に銃を突きつける。

「な、なにをしてる!! わちしじゃなく、あの悪魔を撃て!!」

「そ、それが・・・何故だか腕が勝手に・・・!!」

海兵達はただの操り人形と化していた。
ドフラミンゴの操る糸によって天竜人とその性奴隷を取り囲み、銃の引鉄に指をかけている。


「・・・・・・・・・・・・」


ふと、視線を感じてクレイオは上を仰いだ。
潮風で乱れてしまった髪の合間から、こちらを見下ろすドフラミンゴの顔が見える。

そのサングラスの黒いレンズは、クレイオの姿を映していた。


───ドクンッ・・・!


彼に見つめられていることに気づいた瞬間、心臓が大きく跳ね上がる。

恐怖・・・?
わからない。

ただ・・・高い空を背にしながら、神を見下ろしているドフラミンゴの姿を見ていると、世界がガラガラと崩れていくような錯覚を覚えた。


「・・・いいか。よく聞け、天竜人に海軍ども」


軽い口調ながらも、地を凍らせるような低い声。
ドフラミンゴは靴音をたてながらこちらの方に歩いてくると、震える天竜人を見据えた。


「このおれを王下七武海に入れろ。さもなければ、ここで天竜人が一人、死ぬことになる」


その場にいた誰もが、予想もしていなかった悪魔の要求に言葉を失った。

王下七武海とは、海軍本部、四皇に並ぶ、世界三大勢力のひとつ。
この三つの均衡が破れれば、世界の平和も崩れるという重大な責任のある地位だ。







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