第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
背中に消えない、奴隷の烙印を押されたクレイオ。
それからは天竜人の“人形”として、昼夜を問わず、親子ほども年が離れた男の性的欲求の捌け口となっていた。
それだけではない。
奴隷と天竜人の血は、決して交わってはいけない。
クレイオは卵巣と子宮をつなぐ卵管を切断され、妊娠できない身体にさせられた。
人間以下の扱いを受け続けること、これが彼女に定められた宿命。
朝起きてから夜寝るまで延々と、その美しい身体を男に嬲られる。
普通の人間ならば死を選ぶような毎日でも、生まれた時からそのように育てられていたクレイオには、これが当たり前の生き方だった。
しかし、そんなクレイオの人生に一石が投じられる。
どんなに完璧な歯車でも、たった一つの小石でその噛み合わせが狂う。
その小石は時に思いもかけないところから現れ、永遠に続くと思っていたループをいとも簡単に断ち切ってしまう。
───ドフラミンゴとの出会いは、まさにそれだった。