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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)







記憶に残っている一番古い光景は、おびただしい数の子ども用ベッドが並んだ部屋。

大人一人がようやく通れるほどの隙間だけを残し、びっしりと並べられたその数は、200を超えていた。

そして、その一つ一つに“姉妹”達が眠っている。


───私達には父も母もいない。


そう言うと、世の中の人間は“孤児”をイメージするだろう。
だけど違う。


孤児ではなく、ここに眠る少女達は“天”に創られし命。


始まりは、ある天竜人の一言だった。


「世界で一番美しい女の奴隷が欲しいえ。顔、容姿、全てが完璧な女を作れ」


そのバカげた命令のため、従者達はグランドライン、東の海、西の海、北の海、南の海を駆け巡り、世界中から美女と美男子を集めた。

連れてこられた男女の数は500以上。
国際基準はもちろん、天竜人の基準を満たした美しさを持つ者達だった。
天竜人は、彼らを強制的に夜ごと性交渉をさせ、子どもを作らせた。

男は子種が尽きるまで、女は子どもを孕むまで。

抵抗すれば殺し、衰弱すれば薬を与え、まるで発情期の動物のようにセックスを強要し続けた。

それから1年。

数百人の赤ん坊が産声を上げた。
男児はゴミのように下界に落とされ、女児だけが聖地に残される。
出産を終えた母も、我が子の顔を見る間もなく、やはり下界に落とされた。


天竜人の欲を慰めるべく残った、玉のような新生児達。

その赤ん坊の一人こそが、クレイオだった。









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