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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)




まるで大輪のバラがその花びらを散らす様のような、血しぶき。

王の命令のままに他の男の情愛を受け入れ、ほとんど思考が働かなくなっていたクレイオの目にも、それは鮮やかに映っていた。

首を刎ねられ、後ろに大きく倒れていく部下。
彼の命は一瞬にして奪われ、それを奪った男が代わりにベッドの上にあがってくる。


“やはりお前は真紅が似合う”


クレイオの性器と繋がったままの男根を強引に抜き捨て、自身のそれを埋めてくる国王は、蟻を踏み潰して喜ぶ子どものような笑顔を浮かべていた。

情婦の唇に飛び散った血を親指で拭い、そこに燃えるような熱い舌をねじ込む。


人の命を簡単に奪うことができるのは、死の恐怖を知らないからか?
それとも、死を想像すらできないからか?

違う。

ドフラミンゴは誰よりも“永遠の命”を欲している。
そのために行方が分からなくなった少年を何年も探し、今も帰りを待っている。


“オモチャを他人に貸すのは構わねェが・・・最後まで遊ばれるのは気に入らねェ”


すっかり他の男の形に馴染んだクレイオの膣内に我が物顔で押し入り、絡みつく粘膜を擦り上げるドフラミンゴの男根。

激しく軋み始めたベッドの下で、慕情とともに精子を愛する女に注ぎ込むことができなかった男は、首の無い死体となって無残に転がっていた。





あれを繰り返すわけにはいかない。
相手がグラディウスなら、絶対に。

「オモチャなんかのために・・・“家族”を殺さないで」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「オモチャは壊れても、新しいものがすぐに手に入る・・・でも、家族は違うでしょ」

ドフラミンゴにとって、幹部は家族も同じ。
母を失い、父を殺し、弟が行方不明になって天涯孤独の身となった、彼の心の拠り所だ。

それを知っているからこそ、ドフラミンゴにグラディウスを殺させるわけにはいかなかった。





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