第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
「ドフラミンゴ・・・」
ベビー5。
私は少しだけ貴方が羨ましい。
他のファミリーは貴方を利用しているけれど、ドフラミンゴは違う。
本当の妹のように貴方を大事に思っている。
“若はね、強奪した宝箱の中に綺麗な宝石を見つけると、これはクレイオにプレゼントしようって言って、嬉しそうに笑うんだ”
ドフラミンゴにとってベビー5は、大切な人間。
でも私は・・・
「───私は・・・オモチャでしかない」
ここはドレスローザ
愛と情熱とオモチャの国───
オモチャが当たり前のように人間に寄り添っている。
“クレイオも若を愛しているから、プレゼントを受け取るんでしょ?”
違うの、ベビー5・・・
私がドフラミンゴからのプレゼントを拒まないのは・・・
用済みになるのが怖い、ただそれだけ。
私は生まれた時から“玩具”だった。
誰からも必要とされなくなったオモチャの末路も知っている。
「私はドフラミンゴに愛されてなどいない」
闇に包まれた、暗く冷たい廊下。
そこで震えるクレイオを、優しく抱きしめる者は誰もいなかった。