• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)




「・・・ドフラミンゴを許してあげて、ベビー5」

「クレイオ?」

「いつか貴方を本当に愛してくれる男に出会ったら、ドフラミンゴがなぜボーイフレンドを殺したのか、きっと分かるわ」


500万ベリーなどなくても、ただ一緒にいるだけで幸せになれる。
貴方の悲しい過去も全て抱きしめてくれる、そんな人ときっと出会えるはず。

ベビー5、貴方はとても優しく、心が綺麗な子だから。


「私を愛してくれる男・・・私を必要としてくれる人?! 出会えるかな」

「ええ、きっと出会える。利用するのではなく、必要としてくれる人にね」

「・・・?」

人に尽くすこと・・・それだけに生きがいを感じるベビー5にとって、利用されることも、必要とされることも、“喜び”に変わりない。

ドンキホーテファミリーは便利な彼女を利用しているだけ。
だけど、その筆頭であるドフラミンゴだけはどこか違っていた。

「でも、やっぱり愛にお金は必要なんでしょ?」
「どうして?」
「だって、若はいつもクレイオに宝石をプレゼントしているじゃない」
「あれは・・・」

確かにクレイオの部屋のクローゼットには、ドフラミンゴから贈られたアクセサリーで溢れている。
だけどそれは“愛”ではない。

「若はね、強奪した宝箱の中に綺麗な宝石を見つけると、これはクレイオにプレゼントしようって言って、嬉しそうに笑うんだ」

「・・・・・・・・・・・・」

「クレイオも若を愛しているから、プレゼントを受け取るんでしょ?」


その純粋な問いかけに、はっきりとした答えなどない。

ドフラミンゴがクレイオに与える宝石は、鳥カゴの中に繋ぎとめておくための、いわば鎖のようなもの。

“愛”というならば、ドフラミンゴがベビー5に向けているそれの方が、よっぽど優しい愛だ。


「・・・それも、いつかきっと分かるわ・・・」


ベビー5。
私は少しだけ貴方が羨ましい。


クレイオはベビー5から目を逸らすと、鼻の下まで泡風呂の中に身体を沈め、切なそうに瞳を揺らしていた。







/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp