第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
気に入らないことがあった時のドフラミンゴに抱かれると、大抵は意識を失うまで繰り返し絶頂を迎えさせられる。
気が付けば、クレイオはバラの香りが漂う泡風呂に浸かっていた。
「あ、気がついた?」
顔を覗き込んできたのは、メイド服の格好をしたベビー5。
ドンキホーテファミリーの幹部でありながら、ドフラミンゴ達の使用人でもあった。
「ベビー5・・・どうして・・・」
「クレイオをお風呂に入れてあげてって、若に頼まれたの。私、必要とされた・・・!」
嬉しそうに顔を赤らめながら、湯船の泡をすくってクレイオの腕を洗い始める。
「また若に意地悪されたの?」
「・・・意地悪・・・そうね、そうかもしれない」
「もー、若はどうしていっつもクレイオに意地悪するんだろう」
「・・・・・・・・・・・・」
プーッと頬を膨らませているベビー5を、ドフラミンゴは昔からいたく可愛がっていた。
だからなのだろう、自分とクレイオがしている行為を、はっきりとベビー5に言うことはなかった。
ドフラミンゴとクレイオは“愛人”という関係にある。
純粋なベビー5が知っているのは、そのことだけ。
「若が許せないな。私もこの間、ボーイフレンドを粉々にされたんだ」
「ボーイフレンド? それは聞いてなかった」
「その日に会ったばかりの私に、500万ベリーをくれたら僕と幸せになれるって言ってくれたのよ・・・! なのにあのクズ野郎は、私の恋路を邪魔したばかりか、命まで奪ってしまった!」
「500万ベリー・・・まさかその男にあげたの?」
「もちろん! あんなに私を必要としてくれたのに・・・若を絶対に許さない!」
その割には、頼まれたらきっちりと言うことを聞いている。
過酷な生い立ちがそうさせているのか、必要とされれば自分の命すらも差し出してしまうベビー5。
そんな彼女は、クレイオにとっても放っておけない存在だった。