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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第6章 真珠を量る女(ロー)




ローとクレイオ。

二人の辿って来た道を思えば、もしかしたら出会わない方が良かったのかもしれない。


「ハァッ・・・! ハァッ・・・!!」


ドォン!!!

かなり前方で爆炎が上がった。
ヒューマンショップの方角だ、かなり激しい戦闘が起こっているのだろう。


「おい、ネエちゃん!! そっちに行っちゃいけねェよ!!」

1番GR方面から逃げて来た男が、すれ違いざまにクレイオの腕を掴んだ。

「あっちは酷いことになってる・・・! “七武海”が暴れてるんだ、行ったら巻き込まれるぞ!」
「七武海が・・・?!」

軍隊や海軍大将だけでなく、七武海までもが来ているとは・・・
クレイオの頭に絶望の二文字が浮かぶ。

「ローは・・・! トラファルガー・ローはいた?!」
「爆風と光線で、誰がやられているかまでは分からねェよ! とにかく逃げろ、できるだけ遠くにな!!」
「・・・ロー・・・!!」

1番GRまで何キロも離れているというのに、焦げた嫌な臭いがする。
それだけ大きな爆発があったということだ。


ズン!!!


今度は爆発とは違う重い音が、27番GRの方角から響いてきた。
その直後、大きな地震が起こる。


「海軍大将が27番GRのヤルキマン・マングローブを折りやがった!!!!」

「メチャクチャだ、シャボンディ諸島を沈める気かッ・・・!!」

それだけではない。
あらゆる所から火の手が上がり、海賊達が海軍相手に苦戦を強いられていた。

「早く、この島を脱出するんだ!!」
「この島は木で出来ているんだ、すぐに火の海になるぞ!!」

罪のない人々が戦禍を逃れるため、着の身着のまま港へ向かって走っている。

クレイオの両脚は恐怖で震えていた。


「ロー・・・どこにいるの・・・」


自分が行っても、どうしようもないことは分かっている。

だけど・・・

彼の安否を願わずにはいられなかった。
彼のもとへ走らずにはいられなかった。






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