第6章 真珠を量る女(ロー)
「大変だ、海賊が天竜人をブッ飛ばした!!!」
ロー達を見送るため、ポーラータング号が停まっているという48番GRに向かっていたクレイオは、道の向こうから聞こえてきた大きな叫び声に凍り付いた。
天竜人を殴る?
そんなことをしたら、その場で即刻死刑になる。
正気の沙汰ではないことくらい、子どもだって知っている事だ。
「なんでも、ヒューマンショップでオークションに参加していた海賊が、チャルロス聖とロズワード聖、シャルリア宮に暴力を働いたそうだ」
「なんてバカなことを・・・!! 戦争が起こるぞ、この島で・・・!!」
オークションに参加していた海賊・・・?
まさか、ローでは・・・
その嫌な予感は的中してしまう。
「犯人はキャプテン・キッド、麦わらのルフィ、トラファルガー・ローの3人だ。海軍が店の前で取り囲んだが、逃げられてしまったそうだ」
「なんて迷惑な野郎達だ・・・!!」
「海軍大将も来ているそうじゃねェか!! 逃げられるわけがねェ!」
シャボンディ諸島は、前代未聞のニュースに騒然となっていた。
しかも、渦中にいるのは“最悪の世代”。
「ロー・・・! 貴方、なんてことをしたのッ?!」
“なんでヒューマンショップなんかに興味があるの?”
“そいつは個人的な問題だ。お前には関係ない”
人間オークションには毎月必ず、天竜人が訪れる。
ローは彼らを恨んでいたというのか。
それとも、巻き込まれただけか。
いずれにしても、彼はもう死刑が決定したも同じ。
「“私達”のように・・・!!」
クレイオは急いで1番GRに向かって走り出した。
どうか、自分が着くまで生きていて欲しい。
彼ほどの海賊なら、運良く殺されなくてもインぺルダウンに連れていかれるだろう。
そうしたらもう二度と・・・二度と、会えない───!!