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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第6章 真珠を量る女(ロー)





ルーキー達が各所で暴れている頃、29番GRの両替商では、クレイオが大柄な海賊を相手にしていた。

「間違いなく純金ね・・・1グラムにつき5000ベリーを支払うわ」

テーブルの上には“Fine Gold”と刻印されたインゴットが1本。
オレンジ色を帯びた黄色、重さから見て、混合物が極めて少ないゴールドであることが分かる。

「どうしたの? 顔色が悪いけれど、値段にご不満でも?」

「い、いや・・・なんでもない」

天秤の片方の皿にインゴットを置くクレイオを見ていた海賊の額には、冷や汗が滲んでいる。

それもそのはず。
彼の目は、天秤に刻まれた海賊の髑髏に釘付けとなっていた。
その視線に気が付いたクレイオはニコリと笑う。

「心配しないで。貴方が店にとって損になる行為をしない限り、このマークは牙を剥いたりしないから」

「・・・・・・・・・・・・」

新世界に足を踏み入れたことのない海賊ですら、“彼”の恐ろしさは知っている。
客はクレイオから両替金の20万ベリーを受け取ると、逃げるように出て行ってしまった。

「海賊旗を見ただけで逃げ出してしまうなんて・・・彼に新世界はまだまだ早い」

だが、持ってきた純金はそうとうな白物だ。
きっとあの方は喜んでくれるだろう。

インゴットを金庫にしまい、壁時計を見上げると、そろそろ人間オークションが始まる時間となっていた。

同時に、テーブルの上に置いてあった電伝虫が目を覚ます。


プルプルプルプル・・・

プルプルプルプル・・・


この電伝虫は、ある人物との直通。
クレイオは微笑み、受話器を取った。


「もしもし」


『・・・クレイオか』


「はい、若様」



この時ローは、オークション会場の客席に座り、キッド海賊団や麦わらの一味もいる中、競りが始まるのを待っていた。







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