第6章 真珠を量る女(ロー)
中でも最も注目を浴びる海賊は、13番GRにいた。
「さァ、着いたぞ~!!」
「やっと着いた~!!」
“ぼったくり”を通常サービスとするシャッキーのバーには、モンキー・D・ルフィ。
1番GRを目指して彷徨い歩くのは、ロロノア・ゾロ。
24番GRのレストランには、カポネ・“ギャング”ベッジ、ジュエリー・ボニー、バジル・ホーキンス。
さらに、ユースタス・“キャプテン”キッド、スクラッチメン・アプーが路上で火花を散らせている。
「ここまで世界のルーキー達が同時期に顔を揃える事も、そうそうあるもんじゃないけどね・・・」
そのシャッキーの言葉通り、これほどの顔ぶれが揃うのは珍しいことだった。
さらに妙なのは、その情報くらい耳に入っているはずの海軍本部が、ほとんど動きを見せていないこと。
「これもルーキー達の合わせ持つ“運”かしら」
“元海賊”のシャッキーは煙草を燻らせながら、ルフィ達に向かって微笑んだ。
海軍は今まさに“戦争”に備え、戦力を集めている最中。
相当な問題を起こさない限り、彼らにとってルーキー達を捕らえることは“二の次”だった。
───“相当な問題”を起こさない限り、は。
「暴れたきゃあ、“新世界”へ!!!」
その不穏な空気を悟っていたのだろう。
殺し合いのさなかにいたウルージとキラーの間に、“赤旗”のX・ドレークが割って入った。
問題を起こしたくないと思ったか、
それとも、単に無駄な殺生を好まなかっただけか。
いずれにせよ、ドレークのせいでせっかくの余興が、途中で打ち切られてしまった。
「今、いいとこだったのに・・・」
ローは冷酷な笑みを浮かべながら、堕ちた海軍将校に声をかけた。
“最悪の世代”にはキッドやルフィなど、ローの興味を引く海賊が何人かいる。
この男は間違いなく、その一人。
「ドレーク屋・・・・・・!! お前・・・何人殺した?」
「・・・トラファルガー・ロー・・・!!」
運命とは不思議なものだ。
11年前、立場は違えどミニオン島で“オペオペの実”に関わった、ローとドレーク。
神の悪戯ともいえる“すれ違い”を経て・・・
二人は同じ時に海賊となり、また同じ時に新世界を目指すため、シャボンディ諸島で相見えていた。