第5章 花火 ~君に残す最後の炎~ (エース)
そもそも、17歳でコルボ山の海岸から海に出るまで、付き合いのある女と言えば仮親のダダンか、たまに訪ねて来るフーシャ村のマキノぐらいしかいなかった。
海賊になってすぐに酔ったはずみである島の女に手を出してしまったが、そのような初体験だったせいか、今まで深く何かを思いながら誰かを抱くことなんて無かった。
「クレイオ・・・」
右手で乳房を揉んでやると、添えるようにその上から手を重ねてくる。
その仕草がどうしようもなく可愛らしく思え、エースも大した余裕などないのに笑みを浮かべた。
「なんだ、もっと気持ちいいとこ触って欲しいのか?」
「・・・違うッ・・・」
またいつもの意地っ張りか? と思って視線を落とすと、クレイオは潤んだ瞳でエースを見つめていた。
「離したくない・・・」
自分の身体に触れるエースの手。
できればずっと・・・ずっと、触れていて欲しい。
普段なら絶対に言わないような台詞も、目の眩むような快感のせいで理性よりも先に素直な気持ちが口をついて出てしまっている。
おそらく、そのことに気が付いていないのは言った本人ばかりだろう。
「・・・クソッ」
エースが悪態をついたのは、クレイオの言葉に腹を立てたからではない。
吹き飛んでいく理性を、とどめておくすらできない自分自身に対してだった。
片足を上げさせ、硬くそそりたった性器を深く挿入すると、クレイオは泣きそうな声を漏らしながら快感に耐えようとしていた。
「いいんだ、我慢しないで声を出せ」
無理やり抑え込まずに、身を委ねればいい。
もとより、自分も我慢の限界だ。
締め付けてくるクレイオの蜜壺を掻き回すように腰を動かし、二人の快楽を紡いでいく。
「あぁッ、エース・・・!!」
性器が深々と絡み合う悦びはすでに頂点に達しようとしていた。