第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
「・・・アァ・・・!!」
「なんだ、ココがいいのか?」
堪らずに声を上げるクレイオを、ゾロは満足そうに見下ろした。
「お前はもう娼婦じゃねェんだ。男を悦ばすことじゃなく、自分が悦ぶことだけを考えてろ」
それが怖いというなら、少しずつ慣れていけばいい。
今はただ、ロロノア・ゾロという男を感じることに集中していればいいんだ。
ゾロの肉体もまた、強い快感で震えていた。
最初はクレイオの善がる場所を探していたが、次第に性急な動きへと変わっていく。
朦朧とする頭で、“まだまだ修行が足りねェな”と思った。
いくら、アラバスタ、空島と冒険が続き、自慰をする暇がなかったといっても、少し感情が昂ぶったぐらいで性欲に溺れようとは。
「ゾロっ・・・ゾロっ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
幼い少女のようにゾロの名前を呼び、しがみついてくるクレイオに心が締め付けられる思いがした。
彼女は今、“初めて”の快感に怯えている。
「クレイオ・・・」
ゾロはその身体を抱きしめると、目尻からこぼれている涙を舐めとった。
自分の与えている快感が、彼女にとって幸せなものであって欲しいと願ってやまない。
互いに絶頂は近かった。
もう自分の意志ではどうしようもないほど腰は激しく動き、クレイオの身体を掻きまわす。
呼吸が上がり、額から汗がにじみ出てきた。
クレイオの身体が大きく弓なりになったかと思うと、ゾロ自身を強く締め付ける。
「クッ・・・」
そのあまりに強い力に、さすがのゾロも耐えることができなかった。
二人の口から声が嬌声が漏れる。
直後、互いの気持ちを相手の体内に注ぎ込むように果てた。