第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
「・・・ゾロ・・・!」
急に怖くなって両手でゾロの腕を掴む。
「なんだか分からないけれど・・・怖い・・・」
「・・・怖い?」
「・・・今、すごく気持ち良くて・・・こんなの初めてで・・・」
このまま貴方に抱かれたら自分はどうなってしまうのだろう。
その反動で、これまで耐えてきた痛みや気持ち悪さ、恐怖が蘇るのではないか。
「私、耐えられなかったらどうしよう・・・!」
すがるように見上げたクレイオの唇を、ゾロの唇が塞いだ。
余計なことは考えるな、とばかりに乱暴とも思えるキスで口内を掻きまわされる。
すると、ビクンと細い身体が震え、口の端から飲み込みきれなかった唾液が垂れた。
「アホか」
熱い吐息混じりに突いで出た悪態。
「お前、この期に及んでなにをまだ我慢しようとしてんだ」
「え・・・?」
「お前を苦しめるものは今日、おれが全部ブッ壊した」
「・・・・・・・・・・・・」
「それにセックスってモンは、我慢できねェからするんだろ」
ムードの欠片もない言葉。
だが、逞しい大胸筋にうっすらと汗を浮かべているその男は、眩暈がするほどの色気を放っていた。
「耐えることすら忘れるほど善がらせてやる。だから黙って抱かれてろ」
返答を待たずに両脚を高く持ち上げられると、根本まで挿入される。
ゾロの男根は、これまでクレイオを抱いたどの男のそれも届かなかった場所を突いた。