• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~





食事を終えて、サンジとチョッパーに連れられた場所は、島の外れにある岬。
大きな海原を正面に、背後には炭鉱だった山がそびえ立つ。

途中、炭鉱の方では大きな火災が発生しているようだったが、サンジは“気にしないで”と笑って見せた。


「さ、こちらへどうぞ」


まるで、紳士が淑女をエスコートするかのように仰々しく手を引くサンジに、クレイオは戸惑いつつも従って歩く。
そして、目の前に飛び込んできた光景に息を飲んだ。


真っ青な海と空。
母なる海に優しく抱かれるように、それはあった。


「サンジ、チョッパー! おっせーぞ!!」
「バカ野郎。レディを焦らせるわけにはいかねェだろ、ウソップ!」


後ろには緑が広がる山。
父なる大地に優しく守られるかのように、それはあった。


「サンジさん・・・チョッパーちゃん・・・あれは・・・」

「うちの狙撃手が作ったんだ。なかなかだろ」


真っ白な石を組み立てて作られた、1メートルほどの高さの墓。
その周りにはたくさんの花が飾られている。


「クレイオちゃんの親父さんとお袋さん、そして弟の墓だ」


「・・・・・・・・・・・・」


目の前で起こっていることが信じられなかった。
形はこの島の伝統からかけ離れているが、これほど美しい墓を見たことがない。

すると、長い鼻をした男がクレイオに気がつき、こちらへ走ってきた。

「お前がクレイオか・・・! 大変だったな」

「このお墓・・・」

「へへ、お節介かもしれねェが、おれ達で造らせてもらった」


見れば、墓にはクレイオの弟だけでなく、父親と母親の名前も彫ってある。





/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp