第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
弟が死に、副社長の裏切りを知ってショックのどん底にいるというのに、なぜだろうか。
「・・・おいしい」
サンジの手料理がすごく美味しく感じる。
食欲などないはずなのに、料理へと延びる手が止まらない。
「いくらでもあるからな、たくさん食べなよ」
サンジも、チョッパーもとても優しい。
その形はゾロとは違うけれど世の中にはこんな人達もいるのか・・・と思うと、涙があとからあとから出てきた
「それ食ったら、クレイオちゃんに案内したい場所がある」
「案内したい場所・・・?」
「ああ。おれ達の仲間がそこで待ってる」
チョッパーとサンジは、クレイオをそこに連れていくためにここへ来た。
「クレイオちゃんが味わってきた苦しみを全て癒すことはできないかもしれねェが・・・おれ達の“気持ち”だ」
「・・・?」
首を傾げるクレイオに、サンジはニッコリと微笑む。
チョッパーもニコニコとしながら、“おれ、まだバラさねェぞ。秘密なんだ”と口を両手で抑えた。