• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~




「ひでェ有り様だな、こりゃ」

クレイオの父のものだった会社は、文字が読めないほど看板がボコボコに傷つけられている。
このビルを乗っ取ったマフィアがやったのか、それともクレイオの父に恨みを持つ島の人間がやったのか。

どちらにせよ、ここはもうクレイオの思い出の場所ではない。

「じ、じゃあ、おれはこれで・・・!」
「おー、助かった」

誰かに見られてとばっちりを受ける前に逃げたかったのだろう。
チンピラはそそくさとどこかへ消えてしまった。


鉄格子で閉ざされた、炭鉱トンネル。
5年前、ここで数百人が命を失った。

ビルの前の広場。
5年前、ここでクレイオの父親が拳銃自殺をした。

わざわざその場所を拠点にした副社長には吐き気がする。


「・・・さて」


どうするか。

ご丁寧に正面玄関から行ったところで、歓迎はされないだろう。
そもそも、本当にここに副社長だった男がいるかどうかもわからない。


「面倒臭ェな」


悩むこと、0.5秒。



「───斬るか」



ゾロは「和道一文字」を鞘から抜くと、ゆっくりと口に咥えた。










/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp