第10章 機械仕掛けの海賊はブルースを歌う(フランキー)
“おれはこれから、死んだ方がマシだと思うほどの痛みをお前に与え、自分の意のままに動かない身体に作り変える”
その痛みとは、肉体的な苦痛だけではない。
“その痛みはお前に死をもたらすかもしれねェ。意のままに動かない身体は、お前をただの人形にしちまうかもしれねェ”
人体が耐えられる限界・・・いや、それ以上の痛みは想像できるだろうか。
“・・・それでももし、お前が生きていたら、おれ達の負けだ”
クレイオと麦わら海賊団の勝負は、この時まだ始まってもいなかった。
彼らがクレイオに与える新しい翼、はたして彼女はそれで再び空を飛ぶことができるだろうか。
「チョッパー、今からちょっとばかし無茶するぜ」
「ほ、本当にやるのか、フランキー?」
手術室に緊張が走る。
設計会議の時にチョッパーが反対したことを、船大工は今からやろうとしていた。
「ただの脚じゃつまんねェだろ」
ニヤリと笑うその顔は、チンピラのようでもあり・・・
「この世界で唯一・・・麦わら海賊団以外のために造る、バトルフランキー号よ」
純粋に発明を楽しむ科学者のようでもあった。