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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第10章 機械仕掛けの海賊はブルースを歌う(フランキー)




「おい、海兵女」

ソファに座っていたクレイオの前に立ち、腕組みをしながら白い歯を見せた船長。
その後ろにはフランキーとチョッパー、さらに後ろにはゾロやサンジを初めとした麦わらの一味が並んでいる。


「忘れるな、これはおれの仲間とお前の勝負だ」


これから長い時間をかけて、クレイオの身体は切り開かれ、絶対に機能するという保証はない人工物が埋め込まれる。


「おれは今のお前なんか全然怖くねェ。それは脚が無いからじゃねェぞ」

「・・・・・・・・・・・・」

「海兵のくせに海賊と戦うこともせずに、死ぬことを選ぶような弱虫だからな」


本当に強い人間ならば、脚を失ったからといって崖から身を投げようとはしないだろう。
過酷な未来から逃げるため、もっとも安直な答えに逃げようとしていたクレイオ。

生きることの方が、死ぬことよりも遥かに辛いこともある。
だけど、少しでも彼女の心の中に“正義”の炎が燻っているのなら・・・


「おれ達が間違っていたって証明してみせろ、海兵女。おれ達が与える痛みに耐えてみろ。そんで───」


海賊王を目指す男は、そんな彼女に向かって残酷な笑顔を見せた。


「おれ達の敵になれ!!!」


さぁ、弾丸は放たれた。

この勝負に勝てば、クレイオは麦わら海賊団の敵となる。
だがもし、負ければ───


「ああ・・・私はもう逃げない」


もし負ければ、その時はただの肉と鉄の塊となって人形のように生きていくだけ。

それでも、今はこの勝負に賭ける。


クレイオは小さく深呼吸をし、目の前に置かれた青色のストレッチャーに座った。











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