• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第10章 機械仕掛けの海賊はブルースを歌う(フランキー)





───ポートガス・D・エースの公開処刑が行われるマリンフォードを死守せよ。


海軍本部から全戦力に向けて発令された指令は“警護”ではなく“死守”という言葉が使われていた。
それはつまり、マリンフォードにかつてないほどの強大な脅威が迫っているということ。
そして、その敵が何だろうと海軍本部の心臓部を死んでも守れ…ということ。

無論、半端な海兵は足手まといなだけだ。
しかし、たとえ二等兵でも名のある海賊を討ち取ったら、出世への道が開けるかもしれない。

あの日、マリンフォードを守る中将以上の全将官と海軍の精鋭達10万人の中にクレイオの姿もあった。

持てる武器は、海軍から支給されたライフルと長刀のみ。
“覇気”も“六式”も使えないクレイオの力は、世界を二分する大戦争の中では羽虫ほどに小さいものだった。


「───白ひげがとうとう現れたらしいぞ!!」


マリンフォードの居住地区の警護を任されていたクレイオは、白ひげが伝説のモビー・ディック号とともに現れた瞬間を目の当たりにすることはなかった。
だが大きな地響きのようなものを感じ、失禁をしそうなほど全身が震えたのを覚えている。
それは数キロ離れたところまで軽々と及ぶ、世界の頂点に立つ二大勢力達が垂れ流す“覇気”に当てられたからだった。

湾岸部の方から矢継ぎ早に伝達される戦況を聞けば、海軍が押され気味である事は明らかだった。
さらにエースの“弟”まで現れたという。

王下七武海に加えて、三大将までいるんだ。
まさか精鋭が守る湾頭部を抜けて、居住区にまで海賊が辿りつけるとは思えないが、万一に備えていたクレイオら後方支援部隊は互いに顔を見合わせた。

自然の脅威が人間には計り知れないように、白ひげの恐ろしさを海軍が計ることはできない。


「クレイオ!! 我々も湾岸部の方に加勢に行くぞ!!」

「はい!!」


海の方から逃げてくる海兵がちらほらと現れ始めたこともあり、戦況悪しとみた上官とクレイオは戦場の中心へと走っていた。








/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp