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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第10章 機械仕掛けの海賊はブルースを歌う(フランキー)






“新世界”は、グランドラインの前半の海とはまったく違っていた。

3本の指針を持つログポースは、旅人を“正解”に導くとは限らない。
旅人を大きく前進させる航路を指し示すものもあれば、大きく後退させる航路を指し示すものもある。

旅人は常に選択を強いられ、たとえ“不正解”だろうと前に進まなければならなかった。


「あれ?! 島だ、島が見えるぞ!!」

魚人島の内紛を鎮圧し、“新世界”に乗り込んだ麦わら海賊団。
その後、海軍に囚われていた巨人族のパンズフライを、娘リリーとともに助けた一行は、かなり寄り道をしてしまったが“最果ての島”を目指すべく航路を進んでいたはずだった。

「なに、島?! 本当か、ウソップ!!!」

突如としてサニー号の目の前に現れたのは、地図にも載っていない小さな島。
もちろん、ナミの手首にはめられているログポースの指針は、どれもそこを指してはいなかった。
だけどルフィはそんなことはおかまいなし。
“島”と聞けば、上陸せずにはいられない性格だ。

「“軍艦島”ね。人工的に作られたものだから、ログポースが記録できるほどの磁気がないのよ」

おそらく面積は5平方キロメートルもないだろう。
ナミは眉間にシワを寄せながら、その小さな島を見つめた。

「ダメよ、ルフィ。あれはきっと海軍の基地に違いない。気づかれないうちに離れましょう」
「見ろよ、高台にデッケェ大砲まであるぞ!! 行ってみよう!!!」
「ちょっと、私の話を聞いてる?!」

海軍は航海をスムーズにするため、“新世界”のいたる所に軍艦島を作っていると聞く。
あくまで物資の補給施設だから、海軍本部ほどの戦闘設備はないはずだが、このまま上陸したらまさにカモがネギを背負っていくようなもの。

「いいじゃねェか、ナミ! ちょうど腹も減ったし、上陸するぞ!!」
「アンタ、さっきパンズフライの火山料理を食べたばかりでしょ!!」

ナミの猛反対もむなしく、船長は上陸を決めてしまったようだ。
こうなってしまっては誰にも止めることはできない。







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