第15章 CROCUS
『キッド、私・・・』
「まぁ、オーナーも女に手早いからなぁ〜。
しかし、まさかがその辺の女と同じで尻軽とはなッ」
「キッドッッ!!!」
勢い良く俺の肩を掴むキラー。
「な、何だよッ?!」
「それ、こっちのセリフ。
何女泣かせてんだッ!!」
キラーの言葉で気付いた時には、もう遅かった。
ポロポロと涙を零す。
「・・、悪り
『私!私、ドフラミンゴさんと付き合ってない。
抱かれてもいない!!』
「・・・えっ?」
『・・キスはしたよ、そこは否定しない。
だけど、だけど・・・
キッドにそう思われてるなんて思いもしなかった』
口を開こうとするが言葉が出てこない。
モタモタしているうちには、話し続ける。
『ポスターの事、みんな私だってわかって・・
いろいろ聞かれて、社長からも怒られて・・。
何が何だかわかんなくなってさ、キッドに話し聞いてもらおうと思ったの・・・
でも、無神経だったね私・・、キッドなら優しく聞いて笑い飛ばしてくれるって、そう思ってた。
・・・キッドの気持ち気付いているのに、それに甘え様としてた。
私・・最低だよね・・・・ごめんね』
カバンからお札を数枚、テーブルに載せるとは飛び出す様に店を出て行った。
止められなかった。
俺が止める権利はなかった。
「・・・最低なのは俺だッッ!!」
ダンッとテーブルを拳で叩く。
俺は、に何て言った!?
何を言ってしまったんだ!!
もう、取り戻せない言葉。
八つ当たりだった。
それを受け止めてくれると思って甘えたのは、俺の方だ。
くそッッ!!
戻れるなら戻りてぇ。
俺は心底、それを望んだ。