第14章 MARIGOLD
『うわ〜〜っ!凄いッ!』
驚くの顔に満足して、俺は室内に視線を走らせる。
俺に気付いた部下のディアマンテと視線が合うと俺は頷き返した。
室内は異様な熱気に覆われていた。
一般的女の目線の高さで作られたランウェイが1人分の細さで、何本も延びている。
まるで、それは白い血管の様な道。
そこをモデルが様々な格好で歩いていた。
このショーは、メインは靴だ。
マネキンが履いても、ただ飾っても意味が無い。
女の生脚が履いてこそ、靴は輝く。
「、行くぜ」
そして、会場はより一層の熱気に包まれる。
今日の目玉の靴の登場だ。
中央を走るランウェイにの手を取り上る。
戸惑うには、一切説明はしていない。
次々にフラッシュが焚かれる中をゆっくりと歩みを進めて行く。
「笑え、お前が主役だ」
この世でたった1つの靴。
同じ物は製造を許可しなかった。
の足だけを輝かせていれば充分だ。
戸惑いながらも笑みを浮かべるに俺は満足だった。
中央に立った俺は、そっとの腰に手を回し引き寄せる。
俺の身体に密着したの身体。
そっと、の顎を上に向かせる。
「目を瞑れ、早く」
そう急かせば、素直に閉じられる瞳。
紅く彩られた唇へそっとキスを落とす。
その姿は、明日街中に知れ渡るだろう・・・