第11章 POOPPY
の口には入りきらず、端から水を垂らす。
「ガキじゃねぇんだから」
拭おうと伸ばした手がふと、止まる。
顎を伝って堕ちる雫が鎖骨を濡らしワイシャツから覗く谷間へ流れていく。
妖艶だった。
それを見たら何も考えられなかった。
いや、考える前に動いていた。
惚れた女が目の前にいる。
まるで事情の後の様な気怠さを匂わせ、警戒心さえ無い。
『っっ・・ぁっ・ゃぁ・・・』
の手からペットボトルが消え、カーペットの床を濡らす。
俺は、舌で零れ落ちる雫を舐め取っていた。
谷間、鎖骨、首筋、顎、そして唇へと・・・
俺の唇が甘い抵抗の言葉を塞ぐ。
『・・っぁん・・・・』
キスの合間から零れ出す声に俺の欲望が掻き立てられる。
「・・・・・・」
そっと、ベッドに押し倒そうとした瞬間
ーピーンポーンー
扉の向こうから呼び出し音が響いた。
「・・・チッ・・」
タイミング良く来たなと、離れた唇に軽くキスを落としそばを離れる。
「寝とけ」
そう言って俺は寝室の扉を閉めた。
ドアスコープから覗く。
揃った面子にドアを開けたくねぇ。
再度鳴った呼び出し音。
出ない限り続く音にが起き出したら困りものだ。
仕方なく開けた扉。
「フフフ、持って来てやったぜ」
「お前に頼んでない」
「ク、クロコダイル?!何で服着てねぇんだよッ!!」
「・・は?」
「おいおい、無事かよ」
「寝てる」
キッドの言葉は、無視と決め込む。
招き入れたつもりは無い、勝手に断りもなくズカズカ入ってくる奴ら。
寝室の扉を閉めといて良かったと内心思う。
女が寝ている部屋に入る野暮な奴はいないだろう。