第11章 POOPPY
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広々としたスイートルーム。
寝室のベットにゆっくり下ろす。
『ぅぅん・・・』
「世話焼かせるなよ・・」
そう言って部屋を出て行こうとする。
「・・・おい、何のマネだ」
スーツの裾を握る小さな手。
ぼんやり眠気眼で 俺を見つめてくる。
『・・クロ君・・・暑い』
「・・・っっぅ」
は、時々図った様に昔の呼び名で俺を呼ぶ。
突然呼ばれる懐かしい名に毎回俺は振り回されていた。
『暑いのぉっ』
酔ったせいか舌足らずの言葉。
俺に構わず背中のファスナーに手を掛ける。
「おぃ、待て」
俺は慌ててバスルームに飛び込み、バスローブを掴み戻るが一足遅かった。
「待てって言葉聞こえなかったのか?」
露わになった肩にバスローブを羽織らせる。
『やぁ、これ暑い・・』
「これしかねぇんだよ、嫌なら脱ぐな」
『だってぇだってぇ、暑くて苦しいんだもん』
それでもバスローブを脱ごうとするに俺は舌打ちし、着てきたスーツの上着とワイシャツを脱ぎ捨てる。
そして、そっと俺の着ていたワイシャツを肩に掛けた。
『・・こっちがいい、クロ君の匂いがする』
そう笑う。
この場で押し倒してやろうかと生々しい想いが溢れ出る。
「前、全部締めとけよ・・
おい、男の前でドレス全部脱ぐ奴がいるか?」
ワイシャツ1枚。
サイズが大き過ぎて、下は見えないが裾から出る生足は溢れ出た想いに拍車をかける。
惚れた女に贈る服は、自分がこの手で脱がせたいから。
その趣向をは全く理解してねぇ。
『喉、渇いた』
「飲み過ぎなんだよ。
水持ってくるから、待ってろ。今度こそ勝手に動くなよ」
再度忠告し、備え付けのキッチンに向かう。
今度は何を仕出かすか気が気じゃない。
「・・・起きろ」
戻ってみたら、無造作に横になっていた。
ワイシャツの裾は、ギリギリのライン。
『・・お水』
気怠そうに起き上がったに、ペットボトルを手渡す。
ゴクゴクと喉を鳴らしながら一気に水を飲み干していた。
その姿を見つめながら俺は考えていた。
どうにかしてやろうか・・
他の奴に手を出される前に奪うか・・・
欲望のままに手を出すのは簡単だ、だが・・