第2章 TULIP
『何でって・・
毎回相手に浮気しただの俺の気持ち分かってないだの言われるし、束縛も半端ないし。
最終的には、疲れたって言われて終わるの』
浮気した事は無い。
断じて無い。
なのに、必ず言われる言葉。
何気にショックでまた言われちゃうかと思うと次の恋にはなかなか進めない。
「「あ〜ぁ、分かるなソレ」」
見事に声を揃えて頷く、ルフィとエース。
分かられても困る。
出来れば私みたいに何でだ?!と思って欲しい。
「あっ!そうだ!!」
良い事思い付いた!と嬉しそうに微笑むビビはテーブルの隅に置いてある本を巡り始めた。
『どうしたの?』
「はどっちかと言うと背が高い人が好みでそれ程チャラくなく、細マッチョで、イケメン分類で、髪は・・・みんなバラバラだったからロング以外でっと」
「へーっ、細マッチョ好きなのか」
「背が高いヤツか・・・」
『だ・か・ら!一体どーしたの!?』
結局何度問うてもビビは、秘密だと言って教えてくれず、
そのままエースと何やらコソコソ話を始めてしまった。
「は背が高いヤツが好きなのか」
さっきからブツブツと何度も同じ事を口にするルフィ。
見る間に肩を落として、眉を寄せている姿に私は何故落ち込むのか甚だ疑問しか出てこなかった。
だか、多分私のせいだろう。多分だけど。
『ねぇ、ルフィ・・
ルフィは背、高いよ』
ルフィが求めた答えがコレなのかは分からない。
けど、ありのままを言うしかない。
『私、高いヒール履いても160ぐらいにしかならないしチビなんだよね。
ビビはあー言ってたけど、私と並ぶとどうしても男の人の方が背が高くなるんだ。
えーっと、何が言いたいかと言うと・・・』
黙ったまま、私の話に耳を傾けるルフィ。
だんだん混乱し始めた。
『えーっと、ルフィはルフィのままでいいと思う。
・・うん、ルフィのままが良いよ!』
「・・・あぁ!そうだよな」
何の確信も無いが言い切る私にルフィは、ニッコリ微笑んでくれた。