第10章 PLUMERIA
牽制、思惑、誰が先に動くか。
「フフフフ・・
折角だ、その靴で一曲踊ろう」
流れる動作で手を取り、輪の中からを連れ出すドフラミンゴ。
『待って、私ダンスは・・』
「ワルツだ。
ただ、俺に身を委ねればいい」
ゆったりと流れる曲に合わせ、優雅なステップでリードするドフラミンゴ。
「そうだ、俺だけを見ればいい」
顔を近付け、話す2人の会話はここまで聞こえないが顔を赤らめたの姿に察しはつく。
「ほぉ、見事じゃな。
兄様もモタモタしておると、横から獣に奪われるぞ」
「みたいだねぇ、敵は多そうだ」
唇を噛むのは俺だけじゃねぇ。
ハンコックの思惑には、乗りたくねぇが仕方ねぇ。
1曲終わったところで戻って来たの手を掴んだのは、キッドだった。
「、酒作ってやる」
『えっ?本当?
キッドが作ってくれるの?ちょうど喉が渇いてたの』
そのままエスコートというより、引っ張りながらバーカウンターに向かうキッド。
「来週から元のBARに戻る事になったんだ、良かったら来てくれよ」
『行く行く、どこのお店?』
「DRESSROSAホテルの最上階にあるBAR 。
奢るから是非来てくれ」
『凄い!一流のBARじゃない!』
「おう!・・っうか、何でお前らまで来るんだよ」
ぞろぞろと2人の後を追う俺達。
「久しぶりにお前の酒でも飲もうと思ってな、フフフ・・」
「今日はオフだからにしか作りませんよ、オーナー」
「わらわも飲んであげるぞ、小童」
「・・チッ。と誕生日のハンコック様だけだッ!
後は、絶対に作らねぇッ!!!」
バーカウンターに入ったキッドは、目の前にを座らせその腕を振るう。
そして作られたカクテルをそっとの前に滑らせた。
『これは?』
「・・・アプリコットフィズ」
カクテルにも花言葉と同様にカクテル言葉がある。
花言葉を知らないは、カクテル言葉を知っているのか?とその様子を俺は窺った。