第10章 PLUMERIA
「あっ!こっちじゃぁ〜!!」
急に手を上げ呼ぶハンコックは、振り返り笑顔を向ける。
「わらわが是非、に紹介したい男がやっと来たんじゃ。
ちと、遅刻魔じゃがわらわの頼みは絶対に聞く男じゃからな。
来てくれて安心したわ」
「「「「!!?」」」」
俺らの顔を見渡したハンコックはおかしそうに笑い、満足そうな表情を向ける。
「わらわも見ているだけじゃつまらんからな」
『ハンコック??』
ハンコックの言葉を理解したのは俺達だけだろう。
そして、お互いに視線を絡めた俺達は気付いた。
訳がわらねぇのは当の本人だけみてぇだな。
「あれぇ?ちゃんだよな?」
「まぁ、兄様はの事ご存知だったの?!」
『クザン、さん?』
「それなら話が早い。
兄様、はわらわが気に入っていると話した女じゃ。
、クザンはわらわの兄で警察官僚じゃ。
後々は、トップに立つ男じゃから将来は安泰じゃぞ」
に話しているはずのハンコックは、明らかに俺らにその視線を向けている。
「へーっ、妹に気に入られるって流石だねちゃん。
それにしてもヒヤシンスを贈ったのは間違いなかったみたいだな。
あの日のちゃんも可愛かったが今日は一段と綺麗だな」
『あの時は助かりました、ありがとうございます。
あの花あのままだと萎れちゃうから、業者さんがコサージュにしてくれたんですよ』
「ヒヤシンス・・・」
花言葉を思い浮かべたのかドフラミンゴから不敵な笑みが溢れる。
「あらまぁ、枯れなかったのか・・」
『枯れた方が良かったんですか?
せっかく綺麗だったのに・・・』
「・・・いや、ある意味良かったかもしれないね」
の胸元に花が差してあったのをあの日一緒にいた俺も此奴らも見ていて知っている。
真っ赤なヒヤシンスをコイツが贈ったのか・・・