第8章 CHAMOMILE
「私がクマ好きって知ってたの?」
『ううん、ただパジャマがクマ柄だったのを思い出したのよ』
「そっか!これ後でロー先生にも見せようっと」
『えっ?ロー先生?』
「うん、ロー先生クマ好きだって。
まぁ、どっちかと言うとふわふわした物が好きみたい」
似合わないよね?と、笑うモーダはそっとクマを撫でながら笑った。
「優しい香りだね」
『カミツレ、カモミールと言った方がわかりやすいかな?
その花、私を助けてくれた花でもあるんだよ』
首を傾げる2人に私は、微笑みながら話を続けた。
『カミツレの花言葉は、逆境に耐える 逆境で生まれる力。
昔、私が大変だった時仲良しのある男の子がプレゼントしてくれた花なの。
その時、一緒に花言葉を教えて貰ったわ』
地面に這うように生えるカミツレ。
踏まれれば踏まれる程 よく育つ。
白い小さな花びらなのにとても逞ましいその生命力。
だからこそ、この花をモーダにプレゼントした。
逞ましいその生命力の強さをモーダに・・・と。
「素敵ッ!
その後、その男の子は?!」
身を乗り出すモーダ。
『残念ながら離れ離れよ。
今どこで何をしているか分からないの。
その子とはよくクローバー探ししてたのよ』
博識だった男の子。
その子もモーダみたいに病弱だった。
何処かで元気に生きていてくれればとそう思う。
オマケ→