第6章 RANUNCUIUS
『えっと、ありがとうキッド』
綺麗に包まれたミニブーケのお礼を言うとキッドは、頬を赤らめ
おぉ・・ と、頷いた後、
こんな筈じゃなかったんだが・・・
と、小さく呟いた。
「おい、早くコイツ連れて帰れ」
「テメェに言われなくても連れて帰るさ」
私のバッグをクロコダイルに押し付け、私の背中を押すゾロ。
またしても、クロコダイルは腕を掴み私の意思など構わず足を進める。
『えっ、ちょっと!』
「、酒ならまた今度連れてやるから来い」
『いや、ちょっと!!』
いつもならハンコックが止めそうな展開だが、何も言わないハンコックに望むわけにもいかないし、何よりハンコックより先にお暇するわけにもいかない。
酔った頭でも社会人、それも副社長の性か理性が働いていた。
「帰れ」
何でゾロまでそう言うの?
私は、ゾロと視線を合わせそっと呟く。
『・・ゾロ・・・まだ、ゾロと一緒にお酒飲んでいたいと思うのは私だけなの?』
「・・・!!」
クロコダイルに引っ張られながらでもゾロを見つめていたが、顔を逸らされてしまった。
一向に動こうとしない私に、クロコダイルのいい加減言うことを聞けと言う視線が痛い。
振り返った私は、無意識にクロコダイルに頼んだ。
『クロ君、お願い・・』
「・・、お前ッッ!」
分かっててやってんのかよッ
と、呟いたクロコダイルは私の腕を離してくれた。
その隙に私は、ハンコックの隣に座っていたルフィの横に慌てて座る。
あの場所にいたら気が変わった2人に追い出されてしまうかもしれない。
今日は帰りたくなかった。
無事成功した余韻にもう少し浸りたかった。
「流石わらわが見込んだ女じゃな、あの者達を手玉に取るとわ。
他にもいそうじゃが、とおると退屈せず わらわは愉快だ」
「、お前、酒入るとマジ見境いないな」
『ハンコックもルフィも他人事だと思って・・』
「わらわは、ちゃんとを愛でているぞ」
そう言う事じゃないんだけど・・・
ハンコックの言葉に私は、肩を落とすしかない。