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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第5章 HYACINTH





「これ、折れてたんだが使わねぇよな?」

一輪の赤い花を手に持つクザン。
根元近くから折れた花を見て私は頷いた。

1本の茎に花弁を幾つも付ける種類のこの花は、いくつか花弁を落としていて使う事は出来ない。

「じゃ、貰ってもいいか?」

『・・えぇ、でも飾るんですか?
それなら折れてても、もっと見た目がいい花ありましたよ』

クザンの背後の荷台に目を向ける。
倒れたバケツには薔薇や向日葵、活けるだけなら使えそうな花がまだあったはず。

「この後は、イベント参加か?」

『うん、設置と舞台照明とのリハーサルにモデルさんのアシストと受付と・・・仕事はまだまだありますね』

数え出したらキリがないと苦笑いを浮かべた。

「電話の社長さんも来るのか?」

『えぇ、勿論』

何故そんな事を聞くの?と、クザンを見ると手に持った花を手で切っていた。

『あぁ!何てことを!!』

驚く私にクザンは、さらなる驚きを私に与えた。

「こうすると似合うな。
紅いルージュにピッタリだ」

そう言って、私の頭に手を添え、切った綺麗な花の方を耳に掛け飾る。

『えっ?』

「ヒヤシンス」

耳に飾られた花 ヒヤシンス。

「この花の花言葉知ってるか?」

『・・いえ、あまり興味が無くて』

「そうか、知りたい?」

何故、クザンがそう言うのか
何故、クザンが花言葉を知っているのか
疑問が頭を掠めたが、私はコクリと頷いていた。


「ヒヤシンス、赤いヒヤシンスの花言葉は・・

嫉妬 だよ。

俺、何気に電話の社長さんに嫉妬したみたいだ」


・・・えっ?

・・・・・えっ?えっ?



呆然とする私を残して、クザンは書類片手に署内に消えて行った。








オマケ→






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