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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第5章 HYACINTH





『鍵・・鍵が無いッ!』

案の定、エンジンが切られているトラック。
いつ切られたかは分からないが早めに冷却システムを入れなきゃいけない。

『えっ?鍵って何処にあるわけ!?』

まさか、運転手と一緒に病院?!
予想外の出来事にテンパり始めた私のスマホが着信を知らせた。

『もしもし!』

《か?俺だ》

『クロ君!!』

《いつものオレオレ詐欺ですか?はねぇのか?
クハハ・・落ち着け、テンパり過ぎだ》

『鍵が無いの!冷却システムがダウンしてるの!鍵、運転手が
《、落ち着け。大丈夫だ。
俺がいるだろ?落ち着いて考えればは大丈夫だ》

クロ君の声が、言葉が心に染み込む。

《テンパった時の対処法教えただろ?覚えてるか?》

昔、クロ君が教えてくれた。
そう、深く深く息を吸って 全てを吐く 深呼吸。

《・・・クハハ、大丈夫そうだな》

『・・えぇ、社長ありがとうございます』

《あぁ、後は任せた》

そう言って切れた電話。
いつもタイミング良く、私の窮地に現れる存在。
毎回、この人に助けられる。


「今の電話、彼氏〜?」

背後から急に話し掛けられ、私は肩を震わせる。
振り返った先には、先程トラックの場所を教えてくれた背の高い男。

『いえ、社長です。
何かご用意ですか?』

「・・社長ねェ。
用っうか、コレ無いと困るでしょ?」

そう言って、クルクル回す指には銀色に輝く鍵の束。

『あーーーっ!鍵ッ!!』

「交通部から預かってきたよぅ」

ポイッと投げられた鍵を掴み、私は慌ててエンジンを回す。

『交通部って・・・アナタ何者ですか?』

「あれッ?言ってなかったけぇ?
刑事部のお巡りさんだよ〜」

刑事部のお巡りさんって・・
それならお巡りさんって言うより刑事って言葉が合ってると思うけど・・・

そんな事を考えながら私は冷却システムをオンにし、荷台の扉を開けた。







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