第29章 MIMOSA
『・・えーっと、何で私がドフラミンゴと住むの?
アレはその・・起きた時1人だと心細くて言ったわけでドフラミンゴさんと
「ドフィだ」
あっ!
『ドフィ、と住むつもりはないよ』
持っていた書類をテーブルに置き、向き直ったドフラミンゴはニヤリと笑う。
「じゃ、帰るれるのか?」
『帰れ・・ない』
「じゃ、お姫さんは何処に行く気だ?」
『・・ホテル、とか?』
「勿体無い」
『新しく住む所探すまでの間だし・・』
「ここに住めばいい。
道具も取りに行けねぇだろ?
一揃い揃えてやる」
ドフラミンゴの言ってる事は確かだ。
あの家には住みたくない。
帰りたくもない。
直ぐに新しい部屋を見つける事が出来るかどうかもわからない状態でホテル住まいはちょっと厳しい。
私には選択肢は1つしかなかった。
『お世話になります。
新しい部屋見つけるまでよろしくお願いします』
「・・・新しい部屋は俺が決める」
『えっ?何で?』
「あの部屋は防犯が緩すぎる。
よく住めたな」
あ・・・
前も言われた・・
オートロックだし、女性も多く住んでたマンション。
防犯の心配は無いと思っていたが、やはり見る人にはわかるのだろう。
何せ、ドフラミンゴもオートロックのエントラスを抜けて私の部屋に乗り込んできたのだ。
「わかったらさっさといる物決めろ」
『決めろと言われても・・・』
戸惑う私を放ったらかして、モネを呼びつけたドフラミンゴはリビングを後にした。
入って来たモネはやる気満々。
「さぁ!どれにする?
若様が金に糸目をつけないって言ってたから好きなだけ選んでね
私のも選んじゃおうかな〜
このストラップ超可愛い!ねぇ、お揃いにしない?」
物色し始めるモネの言葉に私は驚いた。
『えっ?ドフラミンゴさんが買ってくれるの?』
自分の物だ。
自腹かと思っていた。
だが、モネは当たり前じゃんと軽く笑った後、私を引っ張りどんどん選ばせていく。
こっそり自分の物を買ったモネはウハウハ。
そして、売り上げが上がった店員達もウハウハ。
私は、何故か疲れてしまった。